泣けないもん/炭本 樹宏
届かない手紙 届かない明日
いくつもの くだらない落書きとコンビニ弁当の残骸
見つけたのは 何度も何度も 口ずさんだお気に入りのロック
太陽は俺をバカにして ベロをだして 意地悪な雲はまるで俺の事を無視してるし
届かない手紙 届かない明日
いくつもの 汚れた俺の分身と色とりどりの凍りついた女
会えたのは いつもいつも 天気の話をする年金生活の老人
風は俺を通りぬけて 少女に媚を売る 正直な季節はもう俺の事を無視にしてるし
俺の周りにあるのは 絶望の詩と希望の詩
半分半分
天神祭り あの子が纏った浴衣
俺はその横を歩けなかった 知らない男が胸を張って歩いた
届くはずのない手紙 届くかもしれない明日
強情に負けず嫌いの俺は 今日は街にくりだす
だって、男は泣けないもん
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