存在意識/
midori
両親が私のことで喧嘩をしている。
「お前の教育がまちがってたんだ!」と、父親。
言葉をなくす母親。
わたしは灯りをけした
下から三段目のステップに
身を潜めている。
「わたしがわるいのか」
きえてしまいたい。
夕飯は明るいリビングでは
たべたくない。
だから
灯りを消したキッチンで
膝をかかえてたべるのだ。
冷蔵庫から取り出した
冷えたきゅうりなますを
できるだけ音をたてないように。
一人になりたかった。
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