ノート(29Y・9.26)/木立 悟
 




    喰いたくてそこに居るのなら
    苦痛だけは残しておいてくれ
    苦痛さえあれば
    数億年後に詩はふたたび生まれるだろう



    間延びした快楽はもういらない
    銀色の道を殺したとき
    すべての枯葉の結晶のように
    おまえの毛が渦まくのを視た
    ひとつは他のように他は他のままに
    星を産み捨てては消えてゆくのを視た






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