当てはめ/A道化
 





ここ
一番最初に
日光から忘れ去られてゆく部屋の隅
扇風機の風の届かない角度に
やや赤みを帯びて群れる闇に
夜のたびに
わたし 大変しっくりくるの
あなた欠け
わたし真空以下で
なのに倒れた体はべたりと重くて
起き上がれず
べたり


童話のようには
泡になれぬ体がべたりと重くて
こんなに重くては起き上がれず
べたり


何ものも到達できない角度に
わたしはわたしを当てはめ
ええ そうすることで
わたし 大変しっくりくるの


2002.7.
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