終演/
湾鶴
夕闇から吹いてくる
嘆きのざわめきが 靴の音で新鮮だ
ふざけたのりで地面を撫でまわす
こうやってできてゆく
グランドキャニオン
幾層にもなって
髪がうんと高く飛ばされ
蝉の匂いもうんと空へ
さわさわと夏の砂が飛びたって
寝息をたてていた青草も
内臓から吐息をはく
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