僕はチュ−インガム/みもる
最初はいくら鮮明に
美しく甘くても さ
5分もすれば味は薄れていって
10分もすれば風味だけになり
もう疲れきっているのに
飲み込むこともできず
うっとうしくまとわりつく
そんな嫌な存在になる
でもどうか
路上に吐き捨てることだけは
しないで欲しい
僕だけじゃない
みんなに迷惑がかかってしまうから
やさしくやさしく
紙につつんで
君の手で
ゴミ箱に投げ捨ててくれ
それがせめてもの慰み
いいんだ
いいんだよ
それで
僕は未来永劫
24時間無休のコンビニで
いつでも君を待っている
ほんの数分の甘えを求めて
また
気まぐれで買ってくれるまで
たとえそれが
必ず捨てられるものだと
わかっていても
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