心パラソル/しらいし いちみ
花ことば常に前進ガーベラよ
夏の花だとおまえの笑う
すれ違う風の香りの優しさは
コンマ二秒心留まり
夕闇に街のネオン瞬いて
熱き吐息を空に吐きかけ
ミントガム噛んで待ってる夕暮れに
もう百人行く人数え
夢描き心の旅に我も乗る
夜明け前かな銀河鉄道
ポケットにチョコとミント詰め込んで
君と行きたいあの向こうまで
一日の幸も不幸も一息で
杯を空けつつ飲み干してやる
冷えすぎて心の氷とけぬなら
指で温め角の去るまで
パノラマを一夜限りに見せられて
仰ぎ見る吾なんと小さき
戻る 編 削 Point(16)