ノート(鉄叉路)/
木立 悟
川の水と
海の水が
からだのなかで
縞模様に重なり
相容れるようでいて
相容れることのない
ふたつの双葉になってゆく
ゆらめく二枚の絵の前に立ち
ゆらめく水から来る音に
ふたつの双葉が
ふたつの森になる時を視る
光の菓子がふるまわれ
翼あるものは席を離れた
月は尖塔の影の先
ふたつの森の間の鉄路に
ふたつの色の火を走らせ
水のなかの音叉を照らし
融け込む声を呼び覚ます
[グループ]
戻る
編
削
Point
(6)