詩子(うたこ)/こしごえ
一篇の詩に洗われて生まれてきた
風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く
盲(めしい)た愛を引きずって
無欲な耳は
戯(そばえ)を咀しゃくする
我を忘れて
雨音にみとれる
雨音にぬれていく
恋するように
まっすぐに恥じらい
闇を呪わず
闇を感じ
闇と交わりとけて
闇に轟く光に
詩人の目がひらかれる
戯(そばえ)=
?甘えてふざけること。ざれること。
?狂い騒ぐこと。
?ある所だけ降っている雨。通り雨。わたくし雨。むらしぐれ。日照雨。
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