面倒くさい夏休み/初代ドリンク嬢
 
      あたらしい朝がきた
      希望の朝だ
 
夏休み3日目
寝ぼけた目をこすりながら
ラジオ体操
 
   喜びに胸をひらけ
   大空あおげ
 
  「おはようごさいます」
 
アナウンサーの元気な声
てんでに散らばっていた小学生も
その声に引き寄せられるように
集まり始める
 
  「ラジオ体操第一 足をそろえて姿勢よく立ちましょう」
 
真夏の空は青く高く
何となく面倒くさそうに
だるそうに
広がっている
胸を反らせたり
首を回したりするたびに
空は
遠くなった日々を思い出せと強迫してくる
  「腕を大きく振り上げて
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