馬にのって/かなりや
馬にのっていると
とってもあたたかい
馬にのっていると
馬の鼓動がつたわってきて
わたくしのからだまで波うって
涙が
なみだが
あふれそうになるの
たてがみにふれる手もふるえ
耳にふれる手もふるえ
きのうのあの方の失礼な振る舞いなど
はるかかなた
殿方に
ぶたれた夜も
けられた日の翌朝も
することはひとつ
馬にのって
馬にのって
はるかかなた
はるかかなたを目指し
鞍にまたがり
首にまとわりつき
なみだを
かなしみを
いかりを
ぽろぽろと
こぼすのです
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