ほんもの/アンテ
まさか
ほんものがあらわれるなんて
ゆめにもおもわなかった
いままで
だましだまし
やってきて
すこしは
ほんものらしくなった
はずなのに
ぜんぜん
まったく
たちうちできなかった
さあて
とうでまくりをして
ほんものは
てっていてきに
あとかたもなく
あやまりをただしていった
むねにだきしめて
これだけは
ぜったいになくさない
とちかった
たいせつなおもいでも
こなごなにつぶされてしまった
きれいさっぱり
かたづけおわると
ほんものは
てをきれいにあらって
おちゃをいれた
おいしそうにのみながら
これからのよていをたてた
「ほ」
あいまいなきもち
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