短い針の喜望峰/
吉岡孝次
あゝ 一日の終りには
きれいに話す女の声を浴びるように聞きたい
昔のように
夢中になって刻み込んだ言葉に自分を教えてもらいたい
ただ阻むだけで癒すことをしない睡魔に
けじめと没頭をもたらす私生活の課題を与えてほしい
不思議に美しい字並びと
僕ならではのニュアンスを過不足なく繰り広げたい
求めることの虚しさと激しさを
持て余している誰かの一途な瞳を覗き込みたい
そしてそのひとと いつまでも語り合おう
こころの力が果てるまで
ずっと
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