幽閉の森/千月 話子
 
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢の原は終わり無く続く
果ては何処かにあったのだろうか

振り返る足元に落ちた銃器を
鈍色の空へ向けて
飛び交う黒曜石を打ち崩そうとしている
私の手のひらは熱く
体中の熱を奪って心根を枯らして行く
これが冷血 というものなのか

見たこともないものが蘇る
おお、、おお、、と泣いているのは
一体 誰なんだろう


粉々に打ち抜いた夜が兵士の頭上に降り積もる
更に濃い夜は 闇
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