廻りゆく生命の環/伊藤洋
え続ける
君の頬をそっとなでた
あるいは君は今、どこかの神と対面中だろうか
ならば、僕等人類の孤独を癒すよう、伝えておいてくれ
せめて、あの世に知り合いの一人や二人でも出来れば
この狭い地球に、60億もの人間を溢れさせずに済んだのだから
君の体をそっとだきよせた
君の体は、まだ熱を帯びてぐったりしていて
神との交信はまだ、続いているようだったけど
いずれ僕の子供を生むのだろうかなどと思って、思わず抱きしめると
君を通じて、僕も少しばかり、生命の環の端っこに、ひっかかれるような気がした
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