〈芝居〉『明日』 青年座 2005/08/13/白糸雅樹
爆弾のうわさになるところ。それはたしかに一種の「日常」なのだ。
婚礼の日は、花嫁の姉が出産を控えており、その出産も演じられるが、「産みのくるしみ」というものがある意味、それだけではなく、戦争の終結というものにも重なるように思え、「原爆があったから早く戦争が終わった」などという理屈ではなく、正当化でもなく、そういう意見への批判でもなく、ただ一種のことがらとして描かれていた。
見ていて、あまりにも人物像や展開が類型的な点が最初気になったが、冒頭の登場から一貫して様式美的な演技を感じさせていることとあいまって、それは欠点ではなく、登場人物たちを、特定の個人ではなく、一種普遍的な「人物像」
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