檸檬/
蒼木りん
檸檬
光る檸檬が
見ていたかった
まだ
ナイフを入れてはいけない
その酸味が
私を殺すから
そして
いつしか
レモンが衰えて
光らなくなる
そのとき
はじめて
私は
檸檬に儀式する
おまえの醸す美しさは
厚い皮の下の果肉
命が熟す香り
私は
覚醒する
戻る
編
削
Point
(7)