俺の親、密な/
吉岡孝次
商工会議所の前、電灯に
掻き集められた雲霞の群れを
顔を覆って突破する遊びにつきあわされていた母。
あの密なる若さを
涙では薄めず
あの密なる五人での数年間を
娘二人への埋もれた泉脈にして。
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