『烏(カラス)』/mana
残飯があれば生きていられた。
ねえ?
キミは朝日の頃の歓楽街を知ってるかい?
それはスゲェダセーんだ。
清掃員くらいしか歩いてなくてさ。
あとは僕らのように始発を待つ奴ら。
疲れきって酒の抜けないサラリーマン。
あれって、この世の行き止まりなのかな?
ただただ黒い黒い烏が、
我が物顔してゴミステーションを漁ってく。
そのとき町は烏の町だ。
太陽が僕らを責め立てる。
そして僕も烏なんだよ。
あの黒い黒い烏なんだ。
そう、何にも染まらぬ烏。
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