ノート(Hollow)/木立 悟
思うことなく
信じることなく
ただ願いながら歩きます
わたしたちは無く
あなたたちは無く
ひとり
目をひらくものがいなければ
目をつむるものがわからない
そんなことはありませんから
片方だけ灯りを消したあと生まれた
背の高いひとつの影のほうへ
手のなかの鍵は還っていきます
信じることなく
願いつづけることは
どこにもたどりつかない背中のかたちで
それは
ただ
響くのでした
とどまる理由もなく
歩きつづけ
歩きつづける理由もなく
歩きつづけ
手のひらは
空に触れたのでした
わたしたちはいない
あなたたちはい
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