死刑宣告/六崎杏介
 
私の詩に於いては、叙情も抒情も情状酌量の余地無しとして、死刑台に送られる。
感動する詩・切なくなる詩や勇気づける詩・恐怖に震えている詩なんぞ、感情のしがらみにからまって奈落の底で終身刑だ。
ただ、言象として横たわる文字列と言葉の気圏がキラキラしていればいい。何かを語るのが詩なら、私は詩じゃなくていい。
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