紙一重/蒼木りん
いまはもう
どうでもいいはずのあなたの
うた
それは幻で
あなたでない
あなたが書いた
ほんとうのうただった
いまのあなたは
出し殻で
きらいです
猫なんて
なでている
気にしている
あなたが
すこし
気になっただけで
わたしのことなど
紙屑
勝手にしてください
あなた
最低だと思うけれど
気が向いたら
別れのキスぐらい
しましょうね
それは
最後まで残しておいて
とても空っぽになったら
そこから
何か生まれるように
あなたの
冥土の土産になればいいけど
あなた
最低だから
たぶん
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