Calling You/藤倉けい
は吸い込まれそうになるんだ)
受話器から遠く何やら男と女の声が聴こえはじめる
会話してるらしい二人の声はどこか聞き覚えがあって・・・
女がおまえの名前を呼んでいるんだ
それに答える男の声・・・その声、話しぶりは・・・
突然の踏み切りの警報機の音が二人の声をさえぎった
(電話の赤いランプの点滅がおまえの記憶の片隅にある、ある雨の日の警報機の点滅とシンクロする)
その男とは、昔のおまえに他ならないのだ
電話の向こう側で過去のワンシーンがいとなまれている・・・
その瞬間におまえの意識は受話器の中へ旅立っていく
(電話の赤いランプは相変
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