若い囚人の独白/いわぼっけ
不自由
それは俺の心がつくり出すものなのか
ここは監獄 この世のはたて
ここまできては自らどうこうなるものではない
身も心も囚人に徹していればいいのか
今を解決しようと思えば地獄だ
ひとときの端座は心の休息だ
先人曰く
患惟を放擲し 個を莫覚し
刻にゆだねて利もなし 学もなし
頭上に知なし 頭下に心なし
没底に遊び 窓風に安らぐ
と
この世の諸々を知識とするは何になろうか
自我固執して
見る眼 聞く耳 話す口 思う心
ことごとく意にならず
万緑は蒼天を仰ぎ
俺の眼は紅日をむさぼる
いかんするや
哨楼の上を白雲が流れ行く
雲になりたい
雨になりたい
水になって流れてみたい
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