日常に潜む恐怖・その1/大覚アキラ
部捨てることにしたの。
ダンボールにぶちこんでみたら、なんと3つよ3つ! 重いのなんのって、もう腰が抜けちゃうかと思ったわ。ヤケクソでゴミ捨て場に叩き込んでやったわよ。
でね、次の日。
アタシは会社までたいてい自転車で通勤してるのね。川沿いの遊歩道を10分ちょっとの距離なんだけど、その遊歩道には、ホームレスのみなさんのお住まいがいくつもあるの。その日も、ホームレスのおじさまが一人ベンチに座ってのんびりと「週刊ポスト」かなんかを読んでるその横を、アタシは自転車で軽快に通りすぎたワケ。
その時・・・ん? って思ったのね。
あれ? あのシャツは・・・?!
そう、その「週刊ポスト」読書中のおじさまが着てたのは、アタシが前の日に捨てたはずのブルーのストライプのシャツだったのよっっっ!
それからは恐怖の連続だったわ。
どうやら、何人かで山分けしたらしく、会社までの道のりにお住まいのホームレスのおじさまたちは、みんな、アタシが捨てた服を着てたのよ!
そう、みんな、みんなよっ!!!
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