「天使喰らい」の可能性について/がらんどう
 
現在の「可能性」に閉じこめられる。「天使喰らい」という名前は、マリアに受胎告知しようと降臨した大天使ガブリエルがこれに喰われている─喰われ続けている─ことに由来する。ゆえに我々の世界においては「受肉」は「可能性」としてしか存在しない。マリアはヨゼフという大工とのあいだに男子をもうける。その子は長じてイエスという男の弟子となり、後にはそれを裏切ったことを悔いて自ら首をくくる。彼が首をくくった木はリンゴの木として図像化される。


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