白い天井(美容院のシャンプー台)/かのこ
痛み、
ひとは幸せを感じたとき
身体のあらゆる部分から
水分を剥き出しにして
外敵から身を守り
そうしてやっとひとになるようだ。
耳の外側。
耳の裏。
耳の中。
耳のふち。
耳たぶ。
空白には
必ず何かが入り込む。
「夏は満喫していますか?」
(夏という声ではなく夏という言葉)
だけど天井は白くて
救いがあるとすれば・・・
(空白)
外の空気に触れると
今が夏だということを実感し
触れた髪の
手の
何故、空に
染みができるのだろう。
とても届かないように
見えるのだけれど。
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