不確かな存在3(風が起きるまで)/チャオ
 
すれ違うままに、時折り消えていく存在。

かすかに足の裏が傷む。その感覚が拡張され、次第に、体全体へとその痛み蔓延する。血流の呪いか、はたまた肌に溶け込んだ電子の波の影響か。
大量に流れ出る汗は、ワイシャツの布地にしみこみ、誰かに見られることを恐れているかのように、はっきりとした形を見せない。ただ、ワイシャツと体との関係は、醜悪なまでに不愉快だった。

満員の電車から、灼熱の日差しへ。小さく祭られた都会の神社を見つける。四車線の道どうしが交差するその一角。
坂道を上し、大きいとも、小さいともいえない、丁度いいといえば、丁度いい大きさの鳥居をくぐる。ちらほらと人はいる。神殿へ近寄り、財布
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