祐介と沙弥香(一応恋人同士)/
 


何時の間にか
歩みの速度が遅くなっていたことを
実感出来る存在

歩幅を合わせて、いつも
より、長く保ち続けたいものだから 尚更


変な話だよ
小学生の頃なんて、意識し過ぎる余り
離れて歩いてよ、と
夕暮れの下校 2人きりの通学路
田んぼ道
曲がり角で、影だけは手を繋いでた


恥ずかしい、だなんて
今時
手も繋がない彼
黙って、後ろにつんだってた
それでも
待ってよ!と
言ったことも 思ったことも無い
丁度いい距離で
保たれているから
まるで
首輪のいらない、犬との散歩のよう


長年連れ添った
夫婦ってわけでもないのに

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