繁茂する微熱/こしごえ
 
遠のいていく
夢の終りの予感

連続する瞬間の
寓話的イノセンス
遠のいていくわ

音楽的無添加な透過

指の形良く
挟んだ煙草と
くゆる
正視の冷却
覚めてゆく未知数
しなだれる燃焼
する残照
遠のいていくわ

渦巻いている奥底から
ほおうっ
と息をこぼす
時が鮮明に裏返っていく

夕立のあがった道は暗く
どこからか鼻歌を連れてくる
そよ
とそよぐのは
朽ちるまえの夢の渇きか

芽吹いていく悲恋

煙草を灰皿に押しつける
ニジリ
近づいてくる
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