救いへの思い(2)/Fujiwara Aki
 
 藍の先に広がる紫雲の中に 運び去られた光を探す度に心は溶け
 悲しみを剣で返す人の愚かさを知る
 読みきることの出来ぬ深い歳月を歩み彼らは、光を捨て
 迷わす千や万のささやきを振り払い 闇を御言葉・御国としてしまった
 嘆きは、日常の営みと変わり 感情を本能が食べ尽くしてしまう
 ああ、願いよ
 幾度の過ちの源がお前ならば 流血の螺旋を断ち切るのもまた
 乾き干からびた人の願い
 崇める民は、一点を目指し 追いたてる者は、容赦せず
 血走る瞳が交差する
 私の叫びは、虫の声
 涙は、体内に蓄積され それでも乾きは、癒されず
 なにも感じぬ浮遊の姿に
 光に覆われ昇る我が身を 瞼開いて想像する
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