海/HARD
 
酷く痩せた顔
表情変えず 君は絵を描き続ける
何にも無いこの部屋
モチーフはいつも 君の頭の中

折れた筆
寒さにかじかむ手
そこら中の傑作達を眺めてたら
目は乾いて 泪も流せなくなった

機械のように
動き続けるその手
「いつか君を あの海へ連れて行こう」
遠い約束 うっかり忘れかけてた

 君がいなくなった
 黒い行列は少なめだった

久しく写真を撮ってなかった君は 最後に笑ってる自分を描いた
長い間 笑ってなかったんだろね 笑顔がおかしい


あの日から くもり空
どんなに探しても 雲の切れ間は見当たらない
この灰色の海に
僕も 君も 深く 沈んでいた
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