に隠される/石田 圭太
 




くらげはもう水みたくなって
やがて海になるだろう





溢れる 空想を両手にとって
きみは穴を掘っている
隣で海を耕しながら
私はそれらを見つめてあげる

構わず 両手に未来を注いで
きみは穴に種を蒔いた
平らな 和みを 並んで見つめる
消える幸福みたいなやさしさ





ほろびかかったこうふくのなかで
猫が九回生きてみせると
ネオ*テニーに憧れた生きものや物たちは
おのおのの大切なものに
たくさん愛でられる空想をした
ときには愛したり
あるいは愛し合あったり
かれらをまもりたいと願う傍観者もあらわれたが
しばらくす
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