エントロピーの黄昏/いとう
 

体温と体温が混じりあい
肌と肌の境界を失うように
わたしとあなたも、また
いつしか混じりあうのだろうか
それとも、また
いつまでも失い続けるのだろうか

熱的終焉の果て
触れあうことに気づけないのなら
そこには、もう
わたしたちを知るものはいない
よすがなく雪崩れこむ
あなたのその膨大な熱量は
わたしに受け取られ続けるだけで
何も語ってはいない

消失する落差
名のない世界
それすらもない
終わりすらない
あやまちもない


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