エントロピーの黄昏/
いとう
体温と体温が混じりあい
肌と肌の境界を失うように
わたしとあなたも、また
いつしか混じりあうのだろうか
それとも、また
いつまでも失い続けるのだろうか
熱的終焉の果て
触れあうことに気づけないのなら
そこには、もう
わたしたちを知るものはいない
よすがなく雪崩れこむ
あなたのその膨大な熱量は
わたしに受け取られ続けるだけで
何も語ってはいない
消失する落差
名のない世界
それすらもない
終わりすらない
あやまちもない
戻る
編
削
Point
(11)