つつましやかに中華/あみ
た何かがなんなのかを確かめたくて
何度もただの蛋白質に何かを探していた
微熱が記憶を抱えだしたのはそう時間がかからなかった
それは大切だった事柄から始まり
最近では着火材から薪へと華麗なる転身を迎え
何かを探すために必要だった微熱から
記憶を抱えた微熱をより効率良く感じるためと
君から主役の座を奪った
狂ってしまった体内時計を戻すこともできない逃げ出した太陽の光を
名残惜しそうな大気は反射させている
あの中華料理屋、行ってみようよ
君は以前に言った大切な思い出の中の人と行くはずだった店の名前をくちにした
記憶が微熱を一瞬だけきゅっとさせたが
それはもう必要無いんだよと言い聞かせて
カタコトの日本語を話す店主の出す台湾料理に
おいしいね
おいしいね と
ふたりで舌鼓をうった
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