夜にとぶもの/プテラノドン
はずだ。
(ほら、蹴つまづいた!)
先頭を歩く、でしゃばりなボーイスカウトめ。
お前のマーチにゃとうに飽きた。
さっさとおれはブリキの太鼓を叩いて一人で歩くぜ。
1・2・3ときたら、口ずさむ歌だってある。
おれたちのいびきもあった。
昇っていった幼き日と
隙だらけの夜だった。
マッチ箱へとしまい込もう。
マッチ箱へとしまい込もう。
それは禁じられた遊び。
悪戯に開けようもんなら気をつけろ
おれの言葉は火を吹くぞ!
きみの言葉は火を吹くか?
おれの舌打ち火花を散らす!
きみの舌打ち凍えている!
音だけ聞こえる音だけの
伝える意志、
骨のような命は、トレンドじゃないって!
羽のような魂が、トレンドだっていうじゃないか!
風がなきゃ、とべないってねえ。
おれは煌く銀色のタラップに、手を伸ばす。
その尖ったさよならも
やわらかなさよならも
まるでもう、出尽くしたかのような深夜。
三世をまたぐ鳥は未だ現れず
求めるおれは未だ諦めきれず
近頃じゃ、耳ばかりがよくなって
きみが息をしていることしか
知らない―
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