皆月町/HARD
ふと気付けば夜の闇
棒のような足を動かし
やっと山から出た
そこには町があった
町は不気味なほど静まりかえっている
町を歩き回ってる時にこんな声が聞こえてくる
「ようこそ 皆月町へ
この町の人は皆、月のよう。
太陽がなければ光れないのです。」
幻聴か はたまた…
気味の悪い町だと思い
出口を探す
思えば住人を見ていない
町の上の空には月はなく星だけであった
立ち尽くしていた僕の耳にこんな声が聞こえてくる
「ようこそ 皆月町へ
この町には太陽は昇りません。
今日は月の出ない日 誰もいてはいけない日。
あなたも今日からこの町の住人。
月が出る日まで 月が出る日まで
こちらへ」
戻る 編 削 Point(8)