無季定型1/佐々宝砂
 
溺死者は死にたかったの 思想の瀞





歯の痛みわがものとせず皿を噛む

ねむれないひるまを足掻きようもなく

切ればゴミ髪も小指も恋人も

狙われた記憶もなくて行方不明

太陽のフレアのごとき髪散らす





人死ねば人寄りて人談笑す
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