ザラメさん「弱いものから消えてゆく」を読んで (感想文)/ベンジャミン
ールーがいるのだと思いました。呼びかけは、受け取り方によっては「呟き」のようにも感じられます。「孤独」という言葉を持ち出せば、それは容易に自分との対話として処理され、そしてその言葉の向きは内向きなまま、深さを求めることはあっても広がりを生むことはないと思っていました。
「そうだねルールー」
けれどこの作品の言葉はけして内向きなものではなく、そう、それこそが「戦いに似ている」ように思えます。いいえ、今こうしている間にも戦い続けているのだと。マンボウの生む3億個の卵・産卵のために行進する数万の蛙。身近な生の存在は、まるで自分を形作る細胞の一つ一つが日々繰り返している生死のように感じられまし
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