風に吹かれて/
蒼木りん
十代のころ
風呂で毎日肌を磨いていた
それは
白蛇のようになまめかしく
女というものは
綺麗であるべきもの
愛されるために生きるもの
それだけでよかった
なのに
酷いのですよ
契約と引き換えに
お姫様になれるのは
たった一日
後は何度も
いろんなものに変化しなくてはならなくて
調子のいい女だけが得するのです
磐梯山の噴火でできた猪苗代湖に
足を浸しにいきたい
風に吹かれる高村智恵子のように
だから私は
長い髪を切らない
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