アフレル オト/千月 話子
干乾びたのだろうか 私は静かに干乾びていくのだろうか
風の強い静かな午後 ほら、耳の裏側で
ガラスの器 丸く並ぶ石粒 揺れる水
指を離す ゆびをはなす 知っているのに・・・
鳴る音は飛沫 残るのは欠片
そう、あれは音楽だった
騒々しいまでに体に溢れる 音楽だった
例えば暗闇のフラッシュバック
手を伸ばして その先にある膨らんだ魂にいつもいつも触れたかった
肉弾の前へ進め!
隊長を失った歩兵の見る夢は 光りに満ちたカリスマ
ほら、空の無い暗い箱の中に居るだろう 高い位置から微笑んで手招く
歩兵よ!今、あなた達こそ神々しい程に輝いているではないか
紅潮した横顔か
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