無季自由律1/
佐々宝砂
言うまでもなく潰瘍
腕痛めた 腕があるから痛い
服を畳み自分を畳みお休みなさい
夜の中で記憶を石にする
ひつじをかぞえるゆめのよう、に。
太古のこのわた渡り足りない凪いでゆく
切り子陰気に青いフレアそうドワーフ
蟻走痒感を探しあてぬおまえは痒みの意味知らず
依代しろく録音されてゆく行方
楽の音を聴くように街の騒音を聴いている
ばらりばらりとほどけるわたしがうたっている
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