蝉時雨/こしごえ
 
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いているようで
あすにでも
いえいまにでも
生きなければならない
と私は詩を
真っ青なノートに
残すのです
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