五十音頭韻ポエムた〜と/佐々宝砂
天仁乎波(テニヲハ)の手まりなどいかがですか
てんてんてんまりてんてまり
てんてんてまりの手すさびですが
手練れの手管もございます
てんてんてんまりてんてまり
手負いの天よ
照ってもいいよ
照れてもいいよ
[と]
突進する都会に
とぼけた時計塔ひとつ
とつとつと止まりがち
とろとろと途切れがち
と思えば
とんとんとっとと飛ばしてる
とんちんかんな時計塔です
とまれ時は飛ぶ鳥で
時計塔がとぼけても
時計塔を咎めても
とまれ時は飛び去って
遠目にときめくときも
溶け合う吐息に戸惑うときも
とどめられずに遠ざかる
鳥でないなら時は投網で
とかげもトンボもときわ木も
とまれ投網の虜で
閉ざした扉の刺々しさも
常闇に点すともしびも
捕らえられて年老いる
とはいえ
とんちんかんな時計塔だけは
時ならぬ時を唱えてる
とつとつと
とろとろと
とんとんとっとと
とことんとぼけた時計塔です
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