祖母/
玉兎
年を重ねることではなく
生きることへの
笑顔にすむ
哀しげなしわ
触れれば
暖かな
てのひらから
伝わる
重み
ありがとうを繰り返す
私はもっと綺麗なこえで
さえずりたいのに
深くしずむこだまは
かわいた音をたててゆくだけ
さようなら
元気で、と
ありきたりな言葉に
ふるえるすべての想いをのせる
私の手に
かえせるあてのない
笑顔がじんわり
しみる
私の明日と
あなたの明日を
隔てるものが
生きることだけではないと
あなたと
わかれる
あかい夕暮
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