考えない葦/−波眠−
呼吸を止めるまでの勇気はない
それでも清水の舞台から飛び降りる心持ちで
まずは考えることをやめてみたあっし
耳がたまって
喉がつかえて
頬がはりつくすかわりに
ルートを逸れた
紀伊からの雨足に変化はなかった
放棄したのではない
ましてや達観を決め込んでいるのでもなく
「25にもなって自分の意思だけで
何かをまわすことができないことくらい、いい加減覚えたら?」
呆れを賞味期限切れの牛乳で溶かして
箸でカラカラかき混ぜる瞬間ですら
白紙の結末に引き寄せられつつも
まだ飲めるw
考えない葦
戻る 編 削 Point(1)