夏/蒼木りん
 
どこまでも青い空を
久しぶり見た
アスファルト
国道のずっとずっと先の
向こう
遠いむかしの空が現れる

プールで
肌を焼くのが夏休みだった
甲羅干し
白い肌で黒髪のお姉さんは
生ものだ

ずっと
あまい夢の中にいればよかった
種明かし
大人になるっていうことは
夢の張りぼて
ぶち倒し踏み越えていくこと

もう
プールの底で
リアルヒラメごっこができない
わかってる
リアルな夢は少し痛いってこと



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