僕の空/英水
駅のコンコースに敷き詰められたタイルの一枚が
エレベータになっていて
上昇
もしくは
下降する という都市伝説
それは、踏み込んでみなければわからないという
カフェでビールを飲んでいた
グラスの底を覗き込んだ時
チカチカ黄色く揺れてるタイルが見えた
グラスの底から空を覗く
黄色く汚染された空が
タイル状に分割される
踏み込んで見なければ、どの空へ辿り着くのかわからない
踏み込んでみたら下降するかもしれない
鳴いている子午線に隠れて
きっと泣いている
あらかじめ僕に与えられた空は。
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