ナミダ/兎乃 しずる
今日という日が来るまでに
いったい人はどれだけの涙を流したのだろう
ふと、考えたある日のバスの中
団体さま四十数名を乗せたのりもの
その中でたくさんたくさん泣いた
きっと、この団体さまの雫は悔しさを秘めているんだ
今日という日のために準備して、願って・・・
きっと、その願いがかなわなかったんだ
この泣いている団体さまの笑った顔がみたい
きっと、太陽よりまぶしくて
花より綺麗なお顔なんだろう
人の涙の理由はたくさんあるけど
涙を流す理由が嬉しいことならいいと思った
そんなことを考えた、ある日の僕
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