スミレ/
スプートニク
薄闇に隠し持つ情熱は
菫の花のように 葉の陰に隠れて
誰にも気付かれない
君だけが 静かな影をかきわけて
見つけ出してくれる
甘い熱を放って咲く私を
ひいやりと冷たい君の唇を
堅くて重い君の手のひらを
深くて真っ直ぐな君の両の目を
私だけのものにしたい
控えめに重ねられた花弁の奥には
秘められた欲望が溢れている
今まさに しずくが滴らんとするように
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